2022.06.22
音楽とひたすらに向き合って生活をしていてふと自分自身に目を向けた時に、何だこいつはと、何にもねえ人間だなあと思うことが良くある。少し前に高校時代の友人たちと酒を交わす機会があったけれど、近況とかを聞いている内に段々と自分自身の醜さばかりが浮き彫りにされていく様な感覚があった。同じだけの時間を過ごして同じだけ生きてきた人間同士、これほどにも変わっていくものなのだろうか。私だけ何にも変わっていない様で、いつまでも過去に縛られてしまっていたり頑として自分の意思ばかり正しいと思ってしまう。もう大人になってしまったけれど、何か自分の中で変わっていこうと思える。音楽はやめないし酒だって飲むし生活はぐちゃぐちゃだし、それでも何か出来ることがあるのだろうと思う。そうやって少しずつ変わっていくものをぐるぐると溶かして音楽に混ぜ込んでいきたい。今までもそうして音楽を作ってきたんだからと、そう思う。そんなことばかり考えて音楽と自分と向き合って、生活をしていたらいつの間にか眠れない体になってしまった。不眠症というべきか。眠ろうと瞼を下ろしても寝付けずに、カーテンの隙間から朝日が漏れてくる。このままではいかんと感じて昨日ドリエルを買ってみた。飲んでみたけれどうーん。確かにいつもよりは寝付けた様な気はする。それでもやはりプラシーボなのでは?と思ってしまった。6錠入りで約千円ほど。安くはないから効果があるだろうと認識をさせるべくつけられた値段なのだろうか。もしこれが30錠200円とかで売っていたら、これは安いもんだからきっと効かなくても仕方がないってなメンタルで服用することになる。そうなると薬の効果もなかなか感じづらいのだろう。ただこれは高いもんだから良く効くに違いない、と自分自身を騙すために財布を開くというのは何とも人間は愚かなのだろうか。まあそうやって生きていくもんなのだろうけれど。
だらだらと書き綴ってはみたが、いつか書こうと思っていた楽曲の制作話みたいなものを書いてみる。先月出したアインザムカイトという楽曲は、なかなか自分にとっての節目の様な楽曲になった。楽曲自体は今年の頭から練っていて、雷を作っていた時期と同じくらいの時だね。ボカデュオの楽曲として書き上げるとなった時にとても考えてしまったことがあって、今までは自分自身、もしくはボーカロイドに歌ってもらうという方式だけで音楽を作ってきたもんで、誰か別の方が歌うとなるとこれは一体どういうスタンスで、どういう視点から曲を書くべきなのだろうかと頭を抱えてしまった。それと自分自身のプライベートな部分をどこまで出していいのだろうか、と。そういう面であくまで自分の楽曲ではなくプロデュース楽曲だという感覚を持って作っていた様な気がする。その感覚にたどり着いてから最初に手をつけていったのは、ボーカルのおはよう真夜中さんはどういう人間なのだろうというところだった。これまでの歌を聴いたりして色々と自分の中で噛み砕いていって、整理しながらそれらを楽曲に落とし込もうと、そういう魂胆で自分なりに分析をすることですね。これはあくまで自分の視点からになるけれど、おはよう真夜中という人間から、決して一人きりではないけれど、孤独に生きている様なものを感じた。今までの動画などを聴いて思ったことなのかな。凄くパワーのある人間で、一人で生きていける様な力すらも感じるけれど、何処か孤独に苛まれている様な人間の様に見えて。これは悪く言っているのではないですが、もしそう聞こえてしまったら申し訳がない。そんな人間性を楽曲にどう落とし込もうかと試行錯誤を重ねていって、あの楽曲が出来た。人間誰しも自分の中に自分自身を飼っていて、それが一体誰なのだろうと今まで疑問に思うことが良くあって。きっとこの感覚をおはよう真夜中さんも持っているんじゃないかなと思ってこういう曲に仕立て上がりましたね。自分自身と対話をしながら生きていく内に、あなたは誰なんだと疑問を持つたびに自分自身が分からなくなって、自分のことすらを自分で探してしまう。そうやってきっと自分を愛していけるんだろうなということを口うるさく書いてます。今ここに生きる自分自身と、見失っている自分の中の自分がお互いを答えだと割り切って探していく、そういう曲におはよう真夜中さんの寂しさを患いながらも何かを求めて歌う様な真っ直ぐなボーカルがのった時、それは美しいものになるだろうなという確信を持てたので、こういう曲にしました。キャッチコピーというか、毎回楽曲に添えている一言で「孤独の夜の淵にアイを探す女の子の歌」という文言を書いたけれど、これを読んだらきっと伝わったかなと思う。そんな感じ。楽曲の雰囲気は歌声と、町上ヨウさんのイラスト、映像を作ってくださった方の雰囲気に合致する様なものにしたくて、王道といえば王道かもしれないけれどギターロックなアレンジにしてみた。少し懐かしい雰囲気を踏襲しつつも目新しいものにしたかったのだけれどどうだろうか。そんでもって久しぶりにワウを踏んで弾いたらなんと難しいこと。録音にまる2日くらいかかった覚えがある。まあ無駄に拘ってしまってのことだろうがライブとかでワウワウさせながら歌う人の気がしれないなあと思いながらRECしてました。こうやってなんやかんやでアインザムカイトという曲が出来た。町上さんは色々と自分なりに音に乗せたものを美しいイラストで表現してくださり、こんなにも自分の頭ん中が見透かされてしまうのだろうかと恐怖を覚えるくらい美しいものを書き上げてくれて。映像の方はちょっとしたストーリーみたいなものに則りつつ、楽曲の雰囲気とイラストとを考慮して本当に素敵なものを作ってくださり、この曲を作ってああよかったなあと思っています。
諸々端折りながら書きましたがこんな感じでアインザムカイトという曲が出来ました。制作を共にしてくださった御三方、そしてアインザムカイトを聞いてくださった方々ありがとうございます〜。曲名のEinsamkeitはドイツ語で孤独という意味です。それと自分と向き合うという曲なんでアイっていう言葉を入れたかったんでしょうね。昔に出したParanoiaEyeという曲でもアイをキーワードに楽曲を作った覚えがある。下にアインザムカイトのMVを載せているので、良ければどうぞ〜。他の曲でこういうのが読みたいってのがありましたら言ってください。次ブログを書く時に書きますんで。では。