言葉にすることが 難しいだなんて

そう言ったあなたは どこか悲しげに見えた

「何かあったんでしょ」『何もないんだよ』

その傷跡には 泣き声が滲んでいた

またね

 

もう消えていたいと嘆く声が頭に響く

辺鄙な居場所に 温もりはないわ

孤独を飼って 荒んでいた やるせの無さに

寂しくなる どうでもいいや

 

憂いを呑んで 私を捨てて

何処か遠くへ行こう 誘う様に

時計の砂は 未だに落ちる

いずれ消えてしまうシャボン玉ね

逆さまにしたら 時間は戻るの？

憐れなバースデイ 吹き消してよ ねえ

 

形にすることが牴牾しいだなんて

浮き足立ってまた 感情を投げていたんだ

「何かあったんでしょ」「何かあったらいいね」

夏を待つ花はいつの間にやら枯れて

またね

 

生きモノ狂いでさ 頭の中身を掻き回して探した

そんな目覚ましい朝に 何と名付けてしまおうか

きっともう今ではさ 酷く奇麗なまま

その目に写ってるよ

引き金を引く 音が響く

 

灯りを焚いて 話をしようか

風に靡くくらいの下らないを

時計の砂は絶えずに落ちる

僅かな音が消えた時が合図よ

あなたに会えたら 嬉しくなるのかな

些細なバースデイ これでお仕舞いだね

 

白檀が香る狭隘 喧ましい様な祈りをどうか

煩いも知れぬ勾配 私の代わり

吹き消してくれ ゆらりと揺れる火を

有象を込めて

 

憂いを呑んで 私を捨てて

堕落の挙げ句の果てを 独白と混迷

時計の砂は何処までも落ちる

病熱を孕んで微睡むくらいに

逆さまにしても 募る侘しさは

拭えない程に 焼き付いてしまった

 

その声で聞かせてよ ハッピーバースデイ